「バリニーズってくすぐったいの⁉」という質問。答えは「いいえ」(前編)

こんにちは。
最近空が秋めいてきたような、でも宮古の9月にしては暑いような…
宮古人にとってはなんとなく調子の狂う今年の天気。
ただでさえ季節の変わり目は自律神経が乱れがちになるので、この時期わたしは意識してアヌローマビローマ(ナーディーショーダナ)を行うようにしています💡
喘息がきっかけでヨガを始めたわたしにとってプラーナーヤマは心強い味方。
本当に侮れない存在ですので、不調を感じる方はぜひ試してみてください✨

さて、つい最近「わたし、くすぐったがりなんですが、バリニーズ受けられますか?」とお問い合わせをいただいたのですが……よくぞ聞いてくれました✨✨
よく「たおやかな手技」「優しい圧」なんて表現をするせいか、「なでるだけのマッサージ⁉」なんて誤解されやすいようなんですが、全然違います。笑

バリニーズ、基本的に全くくすぐったくありません‼
施術者の体重を利用して行うので、圧は当たり前のようにしっかりかかります。
ちょっと長くなりますが、これはぜひ聞いていただきたい(‘◇’)ゞビシッ

なぜ『基本的に』かというと『くすぐったい』という感覚はかなり受け手の精神状態というか内面に左右されるからなんです。
「受け手のせいにするのかよ⁉」と思ったあなた、まぁ聞きなされ。笑
我々セラピストの間ではよく「『くすぐったい』は『痛い』よりもタチが悪い」と言われます。
というのも、痛ければ圧を弱めれば済みますが、くすぐったいは『触られる事そのものを本人が拒否している』状態なんですね💡

以前ギリシャから来日なさったマッサージのプロフェッショナル(超キュートで聡明なイタリア人の方でした✨)の先生のワークショップ参加の際に、この『くすぐったい』について質問したところやはり彼女も同じご意見でらっしゃいました。

実際わたし自身、施術でセラピストに脇の下を触られるのは全然平気ですが、夫にふざけて触られるともうアウト。
自己分析すると「触られてくすぐったい」んじゃなくて「この人、くすぐる気だ!」という夫への不信感(笑)で何もされてなくてもくすぐったく感じちゃうんですね。
要はわたしの気持ちの問題。

なので大抵は我々セラピストの触り方でクリア出来ます。
お客様が安心して身を任せられる堂々たるアプローチをすればよい訳です。
実際、自称「超くすぐったがり」の人々をこれまで数多く施術させていただいて「不思議なくらい全然平気だった!」「予想以上にしっかりと圧がかかるんですね!」と皆さん余裕のリアクション(*‘∀‘)

……がしかし、たまにいるんだ。
本当~に他者に触られる事完全拒否型のお方が。
完全拒否型のパターンは大きく分けて下の2つ。
⓵強い圧に慣れすぎて感覚が麻痺している。
⓶他者に知られたくない大きな闇を内側に抱えている。

⓵はもう、健全な圧に慣れてもらうのが1番!
「強い圧じゃないと満足できないんです(弱い圧だとくすぐったいだけ)」って…一見マッサージの通のセリフのようですが、我々からすると慌てて「待った!」をかけたい超重症レベル。
家族間の肩もみとかでよくある間違いですね。
これは例えるなら「激辛、激塩味じゃないとボク味分かりません」と言っているようなもの。
常食してたら健康に悪いのは明らかですよね。

良いマッサージってゆうのは『強い圧をかける事』ではなく『適度な圧をかける事』。
『適度な圧』は人によって違うし、同じ人だって部位やその日その時々で変わります。
未だに「もみ返しがある方がマッサージした感があって好き」という人がいるのは悲しい事実です。
揉み返しと好転反応の違いさえご存じないまま(というか施術者が説明責任を放棄してる)、いたずらに組織を傷つけるマッサージをエンドレスに繰り返している方が世の中になんと多いことか。
セラピスト的にも「強い圧の施術」って悪い意味で楽なんですよ…お客様が知らないのを良い事にとにかく力任せに揉んで、お客様も「やってもらった感」を得やすいから。
しかも、この方が症状は再燃するから、店としてもリピートしていただきやすかったりするんですね。
忍耐を美徳とする日本人の気質もあるんだろうけど、『解きほぐす重要性』を日本人は知らなさすぎます(涙)

「痛みに耐えて頑張って施術を受けた方が良い結果を得られるはずだ」
「また症状が戻ってきたのは、施術の圧が足りなかったからだ」

……全然違うよ。涙

程よく柔らかく、血流が滞りなく、しなやかでなめらかな状態。
身体の自律機能が正しく働いて、日中はエネルギッシュに、夜は穏やかに眠りにつく。

たぶん健やかな人の姿って上のような感じだと思うんですが、理屈抜きにイメージで考えても「痛みに耐える(忍耐)」ってキーワードと結びつかなくないですか?
本来「痛い」という感覚は「異常を感知し、本人に伝えるもの」です。
当たり前だけど「痛い」は身体にしてみれば「異常事態」なんですよね。
あえてその「異常事態」をマッサージで作り出す恐ろしさ。
「痛い」を我慢してマッサージを受け切ったところで、身体は痛めつけられた記憶を忘れません。
「この硬さでも痛い思いをさせられたから、今度はもっともっと硬くなろう。硬くなって自分を守ろう」
こうして皮肉な事にマッサージ前よりももっと硬く凝り固まった身体へと変化します。
より硬くなったので、次のマッサージは前回よりもっと強い圧、その次はもっともっと強い圧――……まるで麻薬のように抜け出せなくなっていきます。
(※ツボを押しての「痛い」はまたちょっと違うので、そこは経絡・東洋医学のプロに聞いてくださいね💡)

かといってガチガチに固まっている筋肉にサワサワ触るだけのアプローチでは太刀打ちできないので圧の目安はMAXでも「痛気持ちいい」になります。
ヨガのレッスンでもしつこいくらいお伝えする「心地よさは必ず残す」、これが肝。
はっきりとアプローチは加わりつつも心地よいので、身体も「もっと硬くなってやるー!」とグレずに受け入れてくれます。笑
凝っているのに、圧を加えているのに、痛くも気持ちよくもなく「ただ、圧を感じるだけ」という特殊なパターンもありますが、これはわたし達セラピストが対処すればいい話なので今回は割愛します💡

わたしにとって施術は怯えている子供や子犬と少しずつ打ち解けて仲良くなっていく過程のようなイメージ。

いきなり距離感を間違えて近づいたら(いきなり強い圧で揉んだら)、
噛みつかれ(揉み返しになったり術後かえって硬くなる)ますが、
「大丈夫だよ」と優しく諭すように、相手(の身体・筋肉)が安心できる関わりをすれば自ずと解れていくものなんです。

バリニーズは本当に繊細な手技ですが、その『繊細さ』は『圧が弱い』という意味ではありません。
身体の声を聴き、まるでお客様と一緒にさえずり踊るように、なめらかな手技でその人本来のしなやかな状態へと戻るお手伝いをしていきます。
本場インドネシアではバリニーズは『民間療法』です。
その位置づけは伊達じゃない。

ご家族の肩を「ガチガチに凝ってるから」という理由でやみくもに押してる方がいたら、ぜひ一度そのマッサージを見直してみてくださいね💡

書いてるうちにどんどん楽しくなってきたので、「⓶他者に知られたくない大きな闇を内側に抱えている。」に対する考察は後編に持ち越します!笑